証拠保全の現場から

カメラマンから見た証拠保全の実情と対応

予算上どうしてもプロカメラマンに依頼できない場合

2025-08-23 14:17:09
2025-08-25 14:31:38
目次

証拠保全のカメラマン同行のご相談で、ご依頼者にとって重要な要素の1つがご予算でしょう。

弊社の場合、撮影料金そのものは格安と言って良い価格設定ですが、地方への出張撮影となると、交通費、移動距離、時間ごとに加算される出張費、特に航空機を使用しての遠距離出張になると、当日欠航のリスクを避けるため、前日入りになり更にかさんでしまいます。それでも今日まで、沖縄、離島を除く、北海道、九州、四国を含む全国へ証拠保全の出張撮影をしています。ご相談をお受けしていて感じますが、予算が比較的潤沢な法人様だけではなく、個人の方でも、お金をかけてでも証拠保全を確実に行いたいと思ってる方が多くいらっしゃいます。

しかし、裁判所との事前面談で、カメラマンの同行が望ましいと言われても、予算上どうしてもプロカメラマンに依頼できない場合もあります。そのような場合たいてい写真の心得のある同僚などに依頼する場合が多いようですが、旅行に行ったときに撮る風景写真やポートレートなどに比べて、室内で書類やコンピュータ画面を三脚を使用せず、手持ちで撮影するのは遥かに難易度が高いのです。

まずは撮りなおしの出来ない撮影ですから、ピンぼけ、カメラブレなどは絶対避けなければなりません。今までご相談を受けたり、現場で書記官や弁護士がご自身で撮影してうまくいかなかったケースは、たいてい普段から使い慣れてないデジタルカメラを使用していることです。

そこで、プロカメラマンが同行できない場合、確実に証拠画像を確保するために、以下の方法を推奨しています。

代理人弁護士による証拠保全の場合は、同僚の弁護士さん等に同行してもらい、iPadのようなカメラ性能の高いタブレットを使用して撮影する方法です。
タブレットの場合その場ですぐ確認できるので失敗の可能性が低いですし、特別な設定をしなくても書類撮影、コンピュータ画面、動画撮影にも対応できます。何よりタブレットの内蔵カメラはそうした用途を十分考慮した設計になっていて、汎用性重視の一般のデジタルカメラより接写、低照度時のカメラブレに強いです。

撮影の同行者は必ずしも弁護士さんである必要はなく、前もって面談時に裁判所の承認を得ておけば問題ありません。ただ検証当日、裁判所への身分照会のため運転免許証等の提示が必要になります。
実際に我々プロが同行していても、裁判官の許可を得て重要度の低い書類等を弁護士さん自身で撮影することがありますが、その場合でもタブレットでの撮影をお勧めしています。

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この記事を書いた人

証拠保全カメラマン 山本正弘

コマーシャル写真スタジオ、フィルムラボ、デジタルクリエーティブラボ経営のかたわら、カメラマン、レタッチャーとして第一線で長年活動。 カメラマンとして撮影技術、経営者として著作権、不動産、商取引等の法律に関する実務経験、自身医療関係の家系、それら全てを融合させ証拠保全の世界でも活動中。